私はこれまで、美容師としてもWebデザイナーとしても
「集客にものすごく苦労した」という感覚があまりありません。
もちろん何もしていなかったわけではありません。
でも、「頑張って発信しているのに、全然お客様が来ない…」
という状態には、実はほとんどなったことがないんです。
その理由が自分でもずっとはっきり分からなかったのですが、最近いただいたお客様の口コミを見て、
「あ、これだったのかもしれない」と腑に落ちたことがありました。

お客様が来てくれた理由は、とてもシンプルでした
いただいた言葉は、こんな一言でした。
「過去の制作実績のテイストがすごく好みでした」
これを見たとき、はっとしたんです。
なぜなら、美容師時代にもまったく同じことを言われ続けていたから。
「どのスタイルを見ても可愛くて、この人にお願いしたいと思った」
そう言って来店してくださるお客様が本当に多かったんです。
ここでやっと気づきました。
私は
「誰にでも合うもの」を目指していたわけじゃなかった
ということに。

手書きのチラシが教えてくれたこと
大きな店舗にいた美容師時代、こんな出来事がありました。
それまでポスティングしていたのは、
いわゆる「洗練された、きれいなチラシ」。
でもある時、思い切って
手書きの要素を入れた温かみのあるチラシに変えてみたんです。
そのチラシを持って来店してくださったお客様がいました。
職業は、デザイナーの方。
その方が、こう言ってくださったんです。
「珍しいテイストだなと思ったけど、温かみがあって素敵だと思った。
どんな美容室か気になって来てみたくなったんです」

デザインのプロである方が惹かれたのは、
整いすぎたきれいさではなく
不完全さも含めた「その人らしさ」でした。
このとき気づいたんです。
技術や正解よりも、
「世界観」や「空気感」に共感して人は動くんだと。
ターゲットを「絞って」いなかった。ただ「方向性をブレさせなかった」だけ
自分では、ターゲットを明確に絞っているつもりはありませんでした。
でも振り返ると、つくるものには一貫性がありました。
- かわいいけど甘すぎない
- ナチュラルだけど地味じゃない
- シンプルだけど雰囲気がある
そして集まっていたお客様は、
年齢も職業も違うのに、
なぜか「自分のスタイルがある人」ばかり。
つまり、ターゲットを狭めていたのではなく、
自分の表現の方向性をブレさせなかった
その結果、
その感性に強く共感してくれる人だけが自然と集まっていたんだと思います。

「特化」よりも「ニュアンスを寄せる」感覚
よく「特化しましょう」と言われますよね。
もちろんそれは一つの方法です。
でも私は、少し違う感覚を持っています。
特化しすぎると、
- 本来のニュアンスが削れてしまう
- お客様より「自分の戦略」が先に来てしまう
そんなことも起きやすいと感じています。
私がやっていたのは特化というより、
お客様の「なんとなくこれがすき」に
ニュアンスを合わせて寄せていくこと。
そしてその中で
自分の空気感にフィットしたものを実績として積み重ねていった。
それが結果的に
「この人にお願いしたい」と思ってもらえる状態を作っていました。
ターゲット設定で本当に大事なのは「属性」じゃない
よくあるターゲット設定はこんな感じですよね。
- 30代女性
- 子育て中のママ
- 個人事業主
でも実際に強く反応してくれるのは、そこじゃないことが多い。
本当に刺さるのは
- どんなテイストが好きか
- どんな世界観に安心するか
- どんな雰囲気に「これ私かも」と感じるか
という感性の部分なんです。
私は長年美容師として
目の前のお客様の「なりたい」を毎日聞き続けてきました。
「うまく言えないけど、こうなりたい」
その曖昧な希望を一緒に整理するのが仕事でした。
その積み重ねが今、
デザインでも「この人に頼みたい」と思ってもらえる理由になっている気がしています。
私が気づいたターゲット設定のポイント
もし集客に悩んだときは、
こんな視点で振り返ってみるのがおすすめです。
① 実績のテイストはバラけすぎていないか?
いろんな人に合わせすぎると、誰の心にも強く残らなくなります。
② 自分が一番テンションが上がる世界観はどれか?
それが、あなたと相性のいいお客様の感性です。
③「この人たぶん私のこと好きだろうな」と思える人を言語化できるか?
年齢や職業ではなく、「雰囲気・価値観・好きそうな空気感」で考えてみるのがポイントです。

集客は「広げること」より「にじませること」
手書きのチラシに惹かれてくださったデザイナーのお客様のように、
人は「完璧さ」よりも「らしさ」に心を動かされます。
ターゲット設定は、
無理に絞り込む作業ではなく
お客様のニュアンスに寄り添いながら
自分の軸をにじませ続けること。
それが結果的に
「探していました」と言ってもらえる出会いにつながるのだと、
今は感じています。